《「本の読み方」で学力は決まる》(東北大学の脳科学者・川島隆太教授監修)
昨年出版された「『本の読み方』で学力は決まる」(東北大学の脳科学者・川島隆太教授監修)は、私どもが日ごろ子どもたちと接していて感じていたところを小中学4万人のデータで実証してくれた本です。本文の中から一部を紹介します。
「生後問もなく、身体も脳も急激な発達を遂げます。なかでも言語機能の発達のピークは8〜10歳と言われています。つまり、読書を通して得られる言語機能の発達という側面から見た効果は、中学生よりも小学生の方が大きいと考えられるのです。」
「余談になりますが、ゲームやテレビ、スマホなどを使用している時には前頭前野の活動が抑制されてしまうことが分かっています。」
「解析の結果、読書をたくさんしていた子ども達ほど神経線維ネッ卜ワークの結束力が強く、さらに3年後の神経回路の発達度合いも大きかったという結果が明らかになりました。」
「以上の結果をまとめると、たくさん読書をする子どもは読解力が高く、言語中枢をつな ぐ脳の神経回路も強化されていました。さらに追跡調査の結果から、将来的にも読解力はぐんぐんと高まり、脳のネットワークもどんどん成長させられるということが脳科学的に証明されました。すなわち、読書が言語能力に関する脳の神経回路を発達、成長させることが分かったのです。」