大学入試、知識の活用重視へ 集団討論やプレゼン
大学入試改革を議論している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は24日、入試選抜方法の改革を促す答申案をまとめた。年内にも答申される。知識量を問う「従来型の学力」を測るテストから、知識を活用し自ら課題を解決できる能力を見る入試に改める。個別試験では、早ければ今の高校2年生が対象となる、2016年度入学の入試から導入される。大学入試センター試験も選抜方法が変わる。
答申案は、センター試験や個別試験の知識偏重で1点を争うテストから、知識の活用力や思考力、主体性を評価する入試に転換するべきだと指摘している。
個別試験については、筆記試験の点数ではなく、志望理由書や面接、プレゼンテーション能力、集団討論、部活動の実績、資格試験の成績などを組みあわせて選抜するよう提言した。学力を測る場合は、選択式だけでなく、「記述式、論述式」にするとした。
個別試験の改革は「強力に推進する」べきだとされ、各大学には、学生のどのような力をどのように評価するのかを明確にし、求める人物像を示した基本方針を必ず策定することを求めた。国には、改革の取り組みに応じて補助金を出すなどの必要性を指摘した。
一方、センター試験は、「思考力・判断力・表現力」を評価する「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に変える。このため、国語と理科など複数教科を合わせた問題や記述問題を導入。各大学には試験結果の活用を勧める。こちらは20年度から「複数回」の実施を検討している。
高校生の就職活動などにも使える新テストは「高校基礎学力テスト(仮称)」とし、19年度から始める。高校2年、3年で複数回受験でき、結果は大学受験の資料としても使用できる。
いずれも、具体的な内容は専門家らが検討を進めるが、英語については、TOEFLなどの民間試験の活用が求められた。
【平成26年10月25日の朝日新聞より】(青字はK’sセミナーにて青字に)